スタディング行政書士講座だけでは合格率に不安が 

各通信教育の特徴・口コミ

スタディング行政書士講座だけでは合格率に不安が

新型コロナウイルスによる倒産件数も増え、いざという時のために資格を取得しておきたいと思うのは当然です。
数多くある資格の中でも、独立ができるだけでなく、企業内でも活躍できる行政書士は人気があります。

しかし、いざ行政書士試験の勉強を始めようとしても、結構ハードルが高いことが分かります。資格予備校は費用がかかりますし、独学はどのように勉強すれば良いのか分かりにくくなっています。そこで、通信教育が選択肢としてあがってきます。

資格通信教育最大手のユーキャンは行政書士講座の合格体験記が少なく、実績に不安があります。実績を重視してフォーサイトの行政書士講座を受講する人も多いのですが、次の試験で絶対合格しなければならない人以外にはちょっと高く感じられるかもしれません。

ユーキャン・フォーサイト・スタディングの行政書士講座を比較してみましょう。

通信教育社知名度実績受講料
ユーキャン50,400円(定価63,000円)
フォーサイト79,440円(キャンペーン99,300円)
スタディング59,800円

ユーキャン・フォーサイトの行政書士講座は教育訓練給付制度の対象になっているので、受講料の2割が返金されますが、スタディングの行政書士講座は教育訓練給付制度の対象になっていないので、実際に負担する受講料は実績と比例する形になっています。
行政書士試験は合格率1割程度の難関試験なので、不合格だった時のことも考えておきましょう。

通信教育社初年度受講料2年目受講料
ユーキャン50,400円63,000円113,400円
フォーサイト79,440円99,300円ー79,440円(全額返金)19,860円
スタディング59,800円23,800円83,600円

教育訓練給付制度は2年連続して受けることができないので、ユーキャン・フォーサイトは1年目より高くなります。ただ、フォーサイトは不合格時に全額返金してくれるので、2年間のトータル費用は2万円弱。
スタディングの行政書士講座を選ぶのは、再受験はしない人で、社労士や宅建士といった他の資格と並行して受験するので合格にはそれほどこだわっていない人ということになります。
1年だけとは言っても、追加費用が必要ならフォーサイトの方が良いことになりますが、合格者体験談を読む限り、追加費用は避けられないようです。

スタディングに頼る勉強方法に限界あり

合格者の声で顕著なのは、スタディングの行政書士講座の教材以外の教材を利用したとの意見です。

スタディングの行政書士講座の教材以外の教材として挙げられているのは、市販のテキスト・参考書・過去問題集・模試・六法全書と全ての教材に及びます。
市販の参考書や六法全書は、発展学習をしてみたい人が買うのは問題ないと思われます。しかし、長時間の勉強を推奨しておきながら、発展学習のためのオプションを用意しないのは方針に一貫性が感じられません。

市販の参考書で発展学習をしようとすると、行政書士試験では問われることがないような論点に踏み入れる可能性があります。スタディングの行政書士講座で上級者向けのオプションを用意すれば、発展学習にもなって行政書士試験でも有利になるような学習ができるはずです。行政書士試験の勉強をしただけの人が、深くて広い法律学から自分に適した参考書を選ぶのは難しいので、法律学に精通した人にアドバイスを貰って、上級者向けの講座を作るべきです。

発展学習は行政書士試験の合格に直結しないので、上級者向けの講座を作らないのは一定の理解が得られると思いますが、市販のテキストや過去問題集を買わなければならないというのは理解が得られないでしょう。
書店で行政書士試験のテキストをいくつか読んでみると分かりますが、どのテキストも内容に大きな差はないように感じられるはずです。市販テキストは、どの出版社も他社のテキストを研究しているので大差がつかなくなっているのです。

スタディングのテキストの口コミを探してネットを検索すると、「資格スクエアのテキストの方が良い」というものも見られます。書籍の不正利用が発覚した資格スクエアのテキストの方が良いのであれば、スタディングのテキストは質が高くないものと思われます。

合格者体験記を見てもテキストへの言及が少なく、テキストはWebで見るよう設定されていて、冊子はオプションになっているので、テキストはかなり軽視されていると思われます。
テキストがしっかり作られているなら、テキストを繰り返しただけ合格率が上がります。Webでも何度も読めるように思えますが、充電切れや回線不良など、ネットに接続できない状況はありがちです。テキストに自信があるなら、価格を上げてでもテキストを付属させるはずで、オプションになっているのはテキストに自信がないことの現れです。

資格スクエアでの問題があったように、テキストを編集するのはコストがかかるもので、価格優位性を基調とするスタディングの経営方針には、テキストを提供しない方が合っています。同様に過去問題集を編纂するのも経営方針とは異なるので、テキスト・過去問題集を使わない学習方法へと移行していくと思われますが、これは一般的に理解されるものではないはずです。

一般的な学習方法と一線を画すスタディングでは、模試も自己採点になっているのですが、記述式もある行政書士試験で自己採点は危険です。例えば、民法で使われる「悪意者」と「背信的悪意者」という用語は、初学者には同じようなものに見えてしまうので、自己採点で背信的悪意者のところを悪意者と書いたところを正解にしてしまいそうですが、本番では減点されてしまいます。

結局、他社の模試を受けるしかないのですが、模試選びは結構大変なのです。
スタディングの行政書士講座は、一般的な行政書士試験の勉強方法とは大きく異なる勉強方法を採用しているので、頼ってしまうと合格率が下がってしまう危険があります。合格者が主張するように、スタディングの行政書士講座の教材だけでは合格率に不安が生じてしまいますが、他社教材を併用することで合格率を上げることは出来るでしょう。テキストや過去問集は市販のものなら大きな差はないので、他社教材の中でも選択が難しい模試を検証していきましょう。

行政書士試験の模試選びは大変

大学入試の場合は、予備校の全国模試や進研模試が有名で、予備校の大学別模試では合格の可能性をはかるのに使えますし、進研模試は浪人生が参加しないので現役生の中の立ち位置を確認するのに使えます。

行政書士試験では進研模試のような初受験生だけを集めた模試はなく、予備校ごとの模試しかありません。有名なのはLECと伊藤塾です。
伊藤塾の模試は最大規模とされているように、4000名弱が受験する模試ですが、行政書士試験の受験者数は令和元年度で4万人弱。伊藤塾の模試ですら1割程度しか受験していないことになります。合格まで遠い人が多いのか、合格確実の猛者揃いなのか、母体がはっきりしないことには結果にも信用がおけません。
大学入試の時のように、模試の結果で一喜一憂し、志望校を変えるような対応は出来ないということです。成績が悪かったからと言って受験を諦めたり、成績が良かったからと言って安心するのはやめた方が無難です。

模試の結果を目的として受験するのでなければ、何を目的に受験すれば良いのでしょうか。
1つ目は、到達度の確認です。行政書士試験は6割取れば合格で、調整が行われるような状況にならなければ他の受験生の成績を考える必要はありません。学習が不十分な所を確認し、弱点を克服する使い方があります。

2つ目は、時間配分です。制限時間内に全ての問題を解き終えることができないような分量の場合、第1問から順に解いて行くと、捨てるべき問題に時間をかけて、易しい問題を解けなくなってしまうことがあります。1度模試を受けておくと、時間配分を間違えずに済む可能性が高くなります。

3つ目は、試験慣れです。周りの音で集中できなかったり、トイレに行きたくなったり、緊張で眠れなくなったりと試験慣れしていない人は試験以外に不合格の原因があることがあります。模試を何度か受けて慣れて行けば、堂々と受験することができます。

4つ目は、受験仲間を作ることができることです。模試を何度か受験すると、顔なじみも出来てきます。行政書士試験という共通の話題もありますし、会話がしにくいこともありません。受験仲間がいれば、本番特有の緊張もほぐれることでしょう。

模試を受ける目的を4点あげましたが、1つ目の到達度の確認と、2つ目の時間配分は自宅でも出来ます。3つ目の試験慣れと4つ目の受験仲間は試験会場に行かなければならないのですが、多くの人は大学までの受験で試験慣れしているでしょうし、受験仲間ができるかどうかは運次第と言うしかありません。
試験慣れしている人は自宅受験で十分ですが、模試を受ければもっと慣れるかも知れませんし、自宅受験するにしてもどれを選べば良いのか簡単ではありません。
各社の模試の概要を確認して申し込みするにも時間がかかりますし、勉強そのもの以外に時間を使うのは本末転倒です。

勉強期間を短縮するにはオールインワンを

勉強時間そのものを長くして、追加教材の選定で勉強以外の時間も使わなければならないのがスタディングの行政書士講座の特徴ですが、勉強時間は仕方ないとしても勉強以外の時間は短縮したいものです。
勉強以外の時間を短縮することは、勉強時間の短縮にもなります。試験場で問題にとりかかった時に、解答まで長くかかりそうだから次の問題に行く方が良いのか、そのまま最後までやり切った方が良いのか悩むことはありませんか?

一回やり始めた問題は最後までやった方が良いのです。
行政書士試験では大きく分けて公法と私法があります。憲法・行政法といった公法は、判例や先例が重要なので、技術的に問題を解く方がうまくいきますが、民法・商法といった私法は、条文や判例という原則を修正することがあるので、技術にとらわれず、常識で判断した方が良いことがあります。公法と私法で頭の使い方が違うので、憲法の問題が難しくて後回しにして民法を解いた後に戻ってくると、憲法の頭の使い方に戻すために時間がかかってしまうのです。

同じ公法に属する憲法と行政法でも頭の使い方は異なりますし、憲法の中でも、統治と人権では異なります。同じ人権に関する問題でも、途中で解くのをやめて、次に問題に移ると、戻ってきたときにもう一度問題文を読む必要があるのも時間のロスに繋がります。

法律の勉強と教材の選定ではさらに頭の使い方が異なります。勉強を始めたら、「そろそろ模試の申し込みをしないと」と思い、ネットで検索して模試の比較をしているページを見たり、口コミを見たりした後に勉強に戻ったら、頭の使い方を戻すのに時間がかかってしまいます。
そもそも、ネットサーフィンをしている段階で時間がかかってしまい、勉強する時間が少なくなって、睡眠時間を削って余計に勉強時間がかかるという悪循環にも陥ってしまいます。

こういった無駄な時間を省くには、教材選定を全て任してしまって、行政書士試験合格に必要十分の教材がオールインワンで揃っているものを選ぶべきです。
行政書士は行政文書作成に特化した、言わばシングルタスク系の職種ですが、スタディングの社長のように、中小企業診断士を取得しながら経営者をやっているようなマルチタスクを得意とする人とは相性が悪いように思えます。家事育児をやりながら在宅の仕事もしつつ行政書士の資格も取りたいというようなマルチタスクが得意な人にはスタディングの行政書士講座はあっているのかもしれません。

フォーサイト行政書士
タイトルとURLをコピーしました